コラム
ペットロスを克服したい… 「自己コントロール」の方法・手順を解説
大切なペットとの別れ。
「あの子はもういない」という現実をうまく消化できず、何か月、何年と涙に暮れる方は多いでしょう。人によっては、鬱になったり不眠になったりなど体に影響することもあります。
ペットロスに苦しむ方が少しでも前を向けるように、私なりの“乗り越え方”をご紹介します。ポイントは「自分自身の感情と向き合い、理解すること」
無理に笑おうとしなくて構いません。今のあなたのままで大丈夫。あるがままの自分を理解する事こそ、ペットロス克服のスタートラインなのです。
心の現在地を知ろう
ヨガを学んでいる私は、かつて講師からこのような言葉をかけてもらったことがあります。
「自分が自分の主である」
ヨガは、静かな気持ちで自分と向き合い、内側からエネルギーを高めていく運動です。呼吸を意識して、ゆっくりと筋肉を動かしながら、次第に“自分”を解放していきます。つまり、自分で自分をコントロールしている状態です。体はもちろん、精神もそれに倣います。
この「自分が自分の主である」という言葉は、私の人生に欠かせない教訓になりました。
仕事や私生活など自己コントロールが必要な場面は多々あります。設定したゴール(目標)があれば、自己コントロールで到達しやすくなります。
反対に、思考がごちゃごちゃしているときは「今の自分はどんな感情を持っている?どのように感じている?」と自問すると自らを客観視して捉えるステップを経て、理解・受容することで解決への道筋が見えてくることもわかりました。
過去と向き合い、前に進むためには自分自身がいる現在地をまず見失っては難しいことでしょう。感情に振り回され、今の自分が自分で分からない。まさに「自分が自分の主でない」状態です。
自分と向き合うことは現在地を認識すること。そこから未来へと動き出していく準備ができます。
この考え方は、ペットロスにも応用できるはず。
人間には感情があります。ペットを失った今のあなたにあるのは、悲しみでしょうか?それとも「もっと〇〇してあげていたら」という自分自身への怒り?
いずれにしても、意識的に心をコントロールすることが、ペットロス克服への第一歩になるのは間違いありません。
悲しみや怒りなど抜け出せない感情があるなら、まずは「感情(悲しみや怒り)に支配されている自分」をそのまま認識してください。名前をつけられないようなモヤモヤした感情が漂っているなら、「今の自分は何色?」と色に例えてイメージしてみると、なんとなく現在地がわかるはずです。
ペットロス克服のキーワードは『許容と感謝』
現在地が判明したら、ペットロス克服への具体的な思考プロセスを見ていきましょう。
キーワードは『許容と感謝』。一日でペットロスを完全に乗り越えるのは難しいかもしれませんが、毎日続けると次第にポジティブな変化が訪れるはずです。
焦ってしまうかもしれませんが、そんな気持ちもそのまま受け止めて。日々意識するだけでも少しずつ変化が感じられることでしょう。
あるがままに認めて「ありがとう」
ペットロス克服にあたり、自分自身を認めることは大前提です。
“失ったペットに対する悲しみから抜け出すこと”と“あるがままの自分を受け入れること”は無関係に思えるかもしれません。しかし、両者は根底の部分でつながっています。
飼い主さんの中には、「もっと早く動物病院に連れていってあげていたら」「仕事で看取れなかった」というように、後悔や自責の念を抱えている方もいるでしょう。
ペットに真っすぐ向き合っていれば、何らかの心残りがあるのは自然なことです。しかし、心がネガティブな思いに満たされているうちは浮上できないのでご注意ください。
ここで、先にお伝えした自己コントロールが役に立ちます。
誰にでも心残りの1つや2つあります。それに支配されているといつまでも苦しいままなので、捉え方を変えてみましょう。後悔や自責の念など自分に対するネガティブな感情を自覚したら、それらも含めてまるごとご自身を許容し、認めてあげてください。
「私は、可能な限り精一杯がんばった。可能な限りあの子に愛情を注いできた」
このように、あるがままの自分とあるがままの現実を受け入れるのです。繰り返すうちに、「今の私があるのはあの子のおかげ」と心の成長の軌跡にも気づき、感謝の気持ちが自然と芽生えてくるでしょう。
ペットと過ごした時間は過ぎ去ったのではなく、あなたの一部として、これからも存在し続けるもの。ペットは空の上から、今もあなたを見守っています。大好きなあなたが過去に入り浸って苦しんでいるのを見たら、あの子はどう思うでしょうか?「ぼくのことで泣かないで」と、きっと悲しくなるのではないでしょうか。
どのようなお別れであっても、ペットは飼い主さんのことが大好き。過ぎた時間を否定せず、悲観せず、「出会ってくれてありがとう」「一緒に過ごしてくれてありがとう」と空に向かって笑顔を見せてください。思い出を心に刻んで前向きに生きていくあなたを、きっとうれしそうに見守ってくれますよ。
まとめ
ペットロスの克服には、後悔も自責の念もすべて含めて“自分”を認めることから始まります。取り留めのない感情が漂っているなら、「今の感情は何色?」とイメージして、新たな視点で現在地を把握するのも良いかもしれません。
私はヨガを通して、自己コントロールの大切さを知りました。自己コントロールは、仕事や私生活などあらゆる場面で活用できます。もちろん、ペットロスにも。
「もう戻らない」のではなく、目に見えない絆として、これからもずっと続くもの。
考え方ひとつで、感情が変わり、世界にも色がつきます。
どうか、あなたの日々が鮮やかに彩られますように。