コラム
愛するペットが亡くなったら―最期まで見送るために知っておきたい弔いの手順―
長年、家族のように一緒に過ごしてきたペットの死は、飼い主にとっては非常に辛いものです。我が子のように慈しんできたペットが安らかに眠れるように、最後まで愛情をもって供養したいが亡骸はどうすればいいのか、またお葬式はどうすればいいのかなど、わからないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ペットが亡くなった後の見送りの手順について解説いたします。
■ペットを見送るための手順
ペットを安置する
死後硬直が始まる前に、生前のペットが寝ている姿をイメージしながら安らかな姿にしてあげます。四肢が伸びているままでは棺に収まらなくなるおそれがあるので、身体の内側に折りたたんであげましょう。目が開いているなら優しく指で撫でながら閉じさせ、口が開いていたらタオルを巻き付けて閉じさせます。舌が出ていたら、そっと口の中に押し込んであげてください。
また、鼻や肛門から体液や排泄物が出てくることもあるため、脱脂綿を詰めてあげると身体も汚れずに安置できます。
身体を冷やす
ペットより一回り大きめのサイズの段ボール箱、木箱、プラスチック製の箱などを一つ用意します。箱の底にはペットシーツや新聞紙を敷き詰め、その上に保冷剤やドライアイスを置きます。その上にタオルなどを敷いた上にペットを安置してあげます。
なるべく直射日光の当たらない場所で、十分に冷やすなどの安置状況を万全にとれば、2~5日間※は腐敗を防ぐことができます。(※季節にもよります
ペットの供養方法を検討する
ペットの供養方法にはいくつか種類があります。どのような葬儀にするかを検討し、ご自身や家族の納得のいく方法を選択してください。
・手元供養
ペットのお骨を骨壷に納め、自宅に仏壇などを置いて供養する方法です。近年ではミニサイズのお仏壇やネックレスや指輪といったアクセサリーにして供養する方法もあります。
・寺院供養
宗派によりますが、ペットの供養を行ってくれる寺院があります。人間と同じように葬儀をして納骨まで行ってくれます。
・(火葬する場合)合同火葬?個別火葬?
近年は、ペットを自宅の庭に埋葬する場合であっても、火葬して埋めるのが主流となっています。火葬する際、ほかのペットと一緒に行う「合同火葬」にするか、または「個別火葬」にするかを検討することになります。
さらに個別火葬を選ぶ場合、業者の施設内で行う「固定炉火葬」以外に、移動火葬車による「訪問火葬」があります。
火葬後は、ペットのお骨を家族自らの手で拾ってあげることもできますし、業者にお任せして骨壺に入れた形で返してもらえる「一任個別火葬」という方法もあります。
すべては飼い主である家族のご意向で決めることができるので、ご自身にとって一番「これで良い」と思える方法を選択されるとよいでしょう。
【合同火葬】
内 容 | ほかのペットと一緒に合同で火葬を行う |
お 骨 | 合同火葬の場合、基本的に返骨不可 |
お 墓 | ペット用の合同供養塔 |
【個別火葬】
固定炉火葬 | |
内 容 | 家族立ち会いのもとで火葬を行う 霊園によっては読経してもらえる施設もあり |
お 骨 | 返骨あり |
お 墓 | 各自 |
訪問火葬 | |
内 容 | 自宅まで来てくれ、家族立ち会いのもとで火葬を行う(内容にもよるが平均2~3時間) 飼い主側の都合で(訪問日)の時間を決めることができる |
お 骨 | 返骨あり |
お 墓 | 各自 |
一任個別火葬 | |
内 容 | 業者スタッフによって執り行われる(家族の立ち会いはなし) |
お 骨 | 業者によっては返骨あり |
お 墓 | (返骨後)各自 |
ペットの供養を行う
ぺットの供養を行っている業者を探し、日取りや供養の方法などの詳細が決まったら、いよいよ最期のお見送りです。
■誠実な業者選びと飼い主側がきちんと知ることが「悔いのないペット供養」につながる
ペットの供養を行っている業者を探し、日取りや供養の方法などの詳細が決まったら、いよいよ最期のお見送りです。
近年のペットブームとともに様々な業者が参入した結果、残念ながら不誠実な業者も見受けられます。また、誠実な業者であったとしても飼い主側の確認不足であったり、提供内容の理解が十分なされていなかったり、すべて業者任せであったりすることで後々トラブルになるケースが生じています。
そのようなことにならないためにも、飼い主の皆様には十分気をつけてほしいと思います。
ここでは、よくあるトラブルケースの一例をご紹介します。
【トラブルケース】
- ホームページの内容をよく確認せず、「即日対応します」だけの文言を頼りに契約した結果、出張費や、火葬費用等追加料金を別途請求された。
→元々不誠実な業者に遭遇したケース以外にも、飼い主がホームページに掲載されている内容を理解しておらず、業者任せにしていた結果生じた追加料金が正当なのかどうかもわからず支払うことになっているケースもあります。
- 注意事項を理解していなかったために葬儀時間の遅延が生じた。または予約が取り消しされた。
→基本的に、ペットの供養は業者と契約した時間に執り行われるのが原則です。注意事項にもその旨が定められているにもかかわらず、当日になって飼い主がお別れの決心ができず約束の時間に供養ができない(=遅延の発生)というケースがあります。
次に供養を控えている別の飼い主もいるため、当日の時間変更はキャンセルと同等扱いになることもあります。
- 急いで契約したものの、当日急遽飼い主側の都合がつかなくなり、火葬を別日変更が可能かを確認したらNGと言われた。(当日のキャンセル料金が発生)
→ペットの供養に限らず、当日の変更は基本的にキャンセル料金がかかるものです。飼い主もなるべく確実な日程でペット供養が行えるようにスケジュールを組んだ方がよいでしょう。
不誠実な業者と契約して後悔しないため、また誠実な業者であっても飼い主側の認識が原因でトラブルに発展しないためにも、飼い主側はきちんと調べた上で業者を選びましょう。ホームページに掲載されている内容を読み、わからないことがあれば問い合わせするなどができる余裕をもって探すことをおすすめします。
また、よい業者かどうかの評価を窺い知るための指標としては、①インターネットによる口コミサイトやGoogleの口コミを参考にする、②電話やメールでの対応内容をよくチェックする、などです。こうしたものもぜひ活用してほしいと思います。※業者による自作自演のお勧めサイトもあるようです。
■まとめ
今回はペットが亡くなった後の弔いの手順についてご紹介しました。
きちんとした形で天国へ送り出すことができれば、ご自身の気持ちの整理をつけることにもつながることでしょう。
ペットの供養に関してご不明な点がありましたら、ペットメモリアル阪神(TEL:0120-623-568)までいつでもご相談ください。