コラム
ペット火葬を急ぐあなたへ 〜私は少しでも長くこの体に触れていたいから~
息を引き取った、最愛のペットちゃん。
どのような形で最期を迎えたとしても、ご家族様の心には大きなダメージが残りますよね。そして同時に、「できるだけきれいなままでお空へ向かわせてあげたい」と急いで火葬の手配を考える方もいるでしょう。
しかし、火葬を急ぐ必要はありません。
大事な大事な最後の時間だからこそ、ご家族様もペットちゃんも、ゆっくり休んでいただきたいのです。
火葬に時間をかけるからこそ、後悔のないお別れができる
触れるとあたたかかった体も、亡くなるとどんどん冷たくなっていきます。
最愛のペットが亡くなったなんて、誰でもそう簡単に受け入れられるものではありません。しかし冷たく硬くなっていく体が突きつける、残酷な現実……。
ペットちゃんへの最後の“プレゼント”として、「あの子がきれいなうちに火葬してあげなければ」と考える方は少なくありません。心に大きな傷を負いながらも、それでもペットちゃんのために、必死に気持ちを切り替えようとしているのですよね。
事実、依頼のお電話を受けたときに「電話越しに涙を流しているのだろう」「まだ現実を受け止めきれていないのだろう」など、お言葉や口調、電話越しの雰囲気からお客様の様子が伝わることがあります。亡くなってからも愛を注ぐ飼い主さんに、こちらも胸が熱くなります……。
しかし、だからこそ、一度立ち止まっていただきたいのです。
ペットちゃんが亡くなった当日に火葬する必要はありません。しっかりと保冷安置していれば、死後2日~10日はまだ一緒にいられます。
生前、ペットちゃんと一緒にたくさんの思い出をつくったのではないでしょうか。「亡くなったらそこですべてがストップする」と考える方もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。
ペットちゃんが亡くなっても“できること”はたくさんあります。
まず、がんばったペットちゃんとゆっくり一緒に過ごすこと。どのような形での最期でも、ペットちゃんと飼い主さんの絆は永遠です。だから、涙を流しながらでも構いません。ペットちゃんにたくさん言葉をかけてあげて、体もやさしく撫でてあげてください。「ありがとう」「出会えて良かったよ」など、思いの丈を心ゆくまで伝えれば、飼い主さんの気持ちも少しずつ落ち着いていくのではないでしょうか。飼い主さんの言葉と、あたたかなぬくもり……ペットちゃんもきっと幸せな気持ちで虹の橋へ向かえるでしょう。
また、ペットちゃんの“遺品”をグッズとして残すこともできます。ペットメモリアル阪神ではさまざまなメモリアルグッズを扱っているので、ご希望のものがあればお気軽にお声がけください。
たとえばご遺体の状態でも作成できるものは、「足形」「遺毛」など。ペットちゃんの足にインクをつけて紙に押し当てれば、唯一無二のメモリアルグッズになります。毛やヒゲなどをカットしておけば、ペンダントに入れたりフォトフレームに収めたりできるでしょう。
「ペットちゃんのために」とあわてて火葬を依頼する方は少なくありませんが、後にペットロスに陥らないためにも“最後の時間”を大切にしていただきたいのです。
ご遺体は、適切に安置していれば最長10日程度きれいな状態を保てます。やり残したことはありませんか? 急いでお別れを済ますのも悪くありませんが、それだと飼い主さんやご家族様の心の整理はつかないのではないでしょうか。
ペットロスになる原因のひとつは“後悔”です。「もっとああしておけばよかった」「こうしておけばよかった」という自責の念は、いつまで経っても心の奥にこびりつきます。だからこそ、お別れにゆっくりと時間を取っていただきたい、と私は思うのです。
ペットちゃんも、背中を押される形で手際よく別れるより、大好きな人たちの元でゆっくり休んでから旅立ちたいでしょうから……。
ペット火葬に理想的なタイミングと、適切な安置方法
ペットちゃんの火葬の理想的なタイミングは、死後2日~10日程度です。
「すぐに腐敗してしまうのでは?」と心配される方は少なくありませんが、適切な方法で安置していれば最長10日はきれいな状態を保てるでしょう。
火葬当日までは、このように安置することをおすすめしています。
手足を自然な形に折り曲げる
動物の死後硬直はかなり早い段階で始まります。
そのため、亡くなったらできるだけ早く姿形を整えてあげましょう。
前・後肢を、胸側にやさしく折り曲げてください。
体を全体的に丸くすることは、見た目はもちろん、きれいに棺におさめるためにも必要です。
また、まぶたや口が開いているようなら、手でそっと閉じてあげましょう。
ご遺体を清める
お湯で湿らせたタオルなどで、顔や全身をやさしく拭いてあげましょう。
体液が漏れてくることがあるので、口や肛門周辺は念入りにご確認ください。また「今は問題なかったが後に漏れてきた」ということも多いので、床面にビニールを敷いておくと安心です。
体がきれいになったら、毛並みや尻尾などを丁寧にブラッシングしてあげてください。
安置する
体のサイズに合う段ボールや箱を用意して、保冷剤をおなかのあたりに置いて、そのままご遺体を寝かせてあげましょう。
このとき、保冷効果を上げるため、可能であれば全身を布(バスタオルや毛布など)で覆うことをおすすめします。
まとめ
ペットメモリアル阪神では“急がない火葬”をおすすめしています。心の整理がつかないまま、焦るように送り出してしまうと後悔につながりかねません……。
適切な状態で安置すれば、亡くなってから2日~10日程度はきれいな状態を保てます。ペットロスにならないためにも、そしてがんばったペットちゃんのためにも、少しだけ立ち止まってはいかがでしょうか。
ただ、お仕事などで「どうしても当日に火葬がしたい」という方もいらっしゃるでしょう。そのようなときは遠慮なくご相談ください。ご希望の日時に合わせて、可能な限り対応させていただきます。
元気なペットちゃんと過ごした日々はもちろん大切ですが、命を終えたペットちゃんと過ごす時間も特別でかけがえのないものです。最後の1秒まで、どうか悔いのないようゆっくりとお過ごしください。
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