コラム
ペットロスを乗り越えるために必要なことは?心を癒すグリーフケア
「ペットロス」は、いつかは超えなければならないひとつの壁のような漠然としたイメージがあります。
人によって立ち直れるまでには個体差があり、悲しみが深いほどペットロスから抜け出すのが困難になってしまうケースも少なくありません。
私たち飼い主はどのようにしてペットロスと向き合っていけば良いのでしょうか?
本記事では、ペットロスの解決の糸口となる「グリーフケア」について飼い主さんが取り組みたい心の癒し方についてご紹介します。
グリーフケアとは?
「グリーフケア」という言葉は、あまり聞きなれない飼い主さんも多いかと思います。
グリーフの意味は「悲嘆」を意味する言葉で、喪失に対して心身に影響をもたらすことです。
つまり深い悲しみを癒すための心のケアを「グリーフケア」といいます。
ペットロスは、大切なペットを亡くしてしまった後の大きな喪失感や深い悲しみを指していますが、グリーフは喪失後にケアをするだけのものではありません。
ペットとの別れ以外にも予想もしていなかった出来事と直面した時に襲いかかるネガティブな感情に対してもサポートが必要なのです。
ペットオーナーさんに必要なグリーフケア
「大切なペットが病気をしてしまったとき」のショック状態や「治療の判断が正しかったかわからない」などの不安状態や罪悪感などがグリーフに当てはまります。
- 不安
- 後悔
- 怒り
- 悲しみ
- 罪悪感
- ショック
- 孤独感など
「もう少し、この子に何かしてあげられたのではないか」と、ペットを思うが故に何が正解だったか分からなくなり自分をせめてしまうことがあります。
そういった気持ちに悩まされている中でこそ、飼い主さんが感じている心と素直に向き合いケアを行うことが負の感情の連鎖を断ち切ることに繋がっていきます。
受け入れるグリーフケア
喪失前や喪失後に襲われる「グリーフ」には、どのようにしてケアを行えば良いのでしょうか。
ペットや飼い主さんにおかれる状況はさまざまです。
喪失前から強い不安を覚える方や喪失後しばらくしてから深い悲しみを突然抱いてしまう方など、感情の変化には個人差もあるでしょう。
グリーフケアと向き合うためには、「自分自身を思いやること」そして「感情を否定せずに考え方を変えてみること」がとても大切です。
- 認める
- 諦めない
- 決めつけない
一緒に暮していると、さまざまなことに飼い主さんが判断をしなければなりません。
「フード」「生活環境」「病気やケガの治療方法」など、ペットの代わりに一つ一つ選択肢を選びながら来ました。
ペットの全てを判断できるからこそ、思いもよらなかった状況に陥ってしまうことで「本当にこれで良かったのか」と感じてしまうのかもしれません。
しかし、ペットが過ごしてきた全ての日常が幸せではなかったのでしょうか?
どのような状況下においてもペットのことを一番に理解しているのは飼い主さんです。
飼い主さんはペットを想い、ペットは飼い主さんを必要として過ごしてこれたのは紛れもない事実です。
辛い時は状況を受け入れる余裕がなくなってしまいますが「ペットと共にかけがえのない時間を過ごせた」「精一杯生きてくれた」としっかりと認識することがとても大切です。
思い出すことで少しづつ気持ちが切り替わり、未来に向かって再出発の準備を始めていけるようになるでしょう。
ペットロスと向き合うために
どうすればペットロスを克服できるのでしょうか。
ペットを亡くした悲しみは想像以上に辛く耐えがたいことですし、人によって超えていけるタイミングや立ち直れる時間は個人差があるもの。
最愛のペットを失い、深い悲しみで気持ちがいっぱいになってしまうのは、自然な感情でペットを大切にしてきた証です。
突然に襲ってくるグリーフを認めたり、受け止めたりしながら気持ちに切り替えていくことで徐々にをケアしていける方向に向かい出せるのかもしれません。
まずは自分を大切にしてください。 どうか自分を責めないでください。 そう思う事で飼い主さんの心がグリーフから解放され、ペットちゃんも報われます。 過ごした時間に限らず、思い出を共有できたことはお互いにとって幸せだったはずです。
まとめ
飼い主さんやペットにおける状況下や感情の変化はそれぞれ異なり、グリーフケアとしての正解はありません。
しかし最も大切なことは、自分自身を思いやることに目を向け、沸き起こる感情を素直に認めていくことがグリーフケアとなっていきます。
少しずつしかできなくても、思うように動けなくても現在の姿を認めることが状況を変えていく初めの一歩になるのでしょう。
いつかはペットの旅立ちを受け入れなければならない日がやってきます。
寿命の長さに関係なく一生懸命ペットが生きたことに変わりはありません。
ペットが頑張って生きてきたことを認めてあげ、「飼い主さんが今できること」を普段の生活の中に少しずつ取り入れることが大切です。
そうした意識を持つことでダメージを受けた心の修復は始まっていくでしょう。