コラム
ペットの遺骨を散骨するには注意が必要。知っておくべきメリット・デメリット
人の遺骨は基本的にお墓に納骨しますが、ペットではお墓への納骨の他、自宅に遺骨を安置する手元供養や、海や山に散骨するなど、選択肢がいくつかあります。
中でも散骨は自然回帰といった考え方で少しずつ広まりをみせています。
今回は散骨をすることによるメリットとデメリットを紹介し、実際に散骨をするまでの流れを説明します。
ペットの遺骨を散骨するメリット・デメリットとは?
散骨とは遺骨をパウダー状にし海や山などに撒く供養方法のひとつです。
散骨する場所はある程度自分たちで決めることができますが、そこにはメリットとデメリットがあるため注意が必要です。
以下に紹介するメリット・デメリットを参考にしてもらい、後悔のない散骨をしてください。
散骨のメリット
- 遺骨を管理する必要がないので、納骨先に迷わないで済む
- 自分で散骨するなら費用は粉骨料のみなので低費用
- 思い出の場所、お気に入りの場所に散骨できる
散骨の最大のメリットは、遺骨が残らないため納骨先を決める必要がなく、その後のお墓の管理や心配がなくなることです。
また散骨を業者に依頼せずに自身で行うのであれば、費用もほとんどかかりません。
散骨のデメリット
- 散骨してしまうと元に戻すことはできない
- 明確なお参り場所がない
- 家族間での合意が必要
散骨のデメリットはメリットの裏返しとなるもので、遺骨が残らない点です。
散骨してしまえばもう二度と遺骨が戻ることはありません。後悔のないように散骨するには、このことをしっかり理解しておくこと、家族みんなの合意を得ることが大切です。
また私たちは供養の慣習として昔からお墓参りをしてきました。
散骨をするとお墓がありませんので、明確なお参りをする場所がないことも理解しておきましょう。
散骨するまでの流れ
メリット・デメリットがわかったうえで散骨をするとなりましたら準備が必要です。
そこで必要となるのが「火葬」と「粉骨」です。
粉骨とは遺骨を専用の機械でパウダー状にすることをいいます。
すでに火葬が済んでいる遺骨であれば、ペット霊園や散骨業者に粉骨の依頼をしましょう。
粉骨が済みましたら散骨する場所の選定です。
ペットの遺骨の散骨方法
海への散骨
散骨する場所としてもっとも多いのが海です。
生命の源である海に遺骨を撒くことで、自然に還すといった考えがあるためです。
また海には私有地といった概念がないため、散骨しやすいイメージもあるでしょう。
ただ海への散骨をする場合には、ボートやクルーザーなどで沖合に出る必要があるため業者へ依頼しないと難しいかもしれません。
山林への散骨
都市部では難しいかもしれませんが、地方であれば山や森なども散骨場所の選択肢となります。
海のように沖合へ出るといった手間がないため、比較的散骨しやすいでしょう。大自然に囲まれ多くの生命が息づく緑豊かな場所に静かに眠らせてあげることができます。
空への散骨
あまり知られていませんが空への散骨も可能です。
空への散骨の代表的な方法として、チャーター機を利用し空の上から散骨する方法と、バルーンに遺骨をいれて空高く放つ方法があります。
どちらの方法も個人で行うには難しいため、散骨の専門業者にお願いする必要があります。
またこれまで紹介した散骨方法と比べると費用は高いです。
自宅の庭への散骨
もっとも身近な散骨場所は自宅の庭です。
マンションなどでは難しいですが、庭付き一戸建てであれば検討してもよいでしょう。
ペットが慣れ親しんだ我が家であれば、安心して眠ることができるでしょうし、毎日お参りができる点もよいですね。
散骨するにはルールとマナーを守りましょう
散骨場所を紹介しましたが、どの場所であっても散骨のルールとマナーを守るようにしましょう。
ルールといっても散骨に関する法的な決まりがあるわけではありません。
具体的には以下の点に注意してください。
- 私有地は原則散骨禁止、もしするのであれば許可が必要になる
- 海への散骨の場合、浜辺での散骨は避け沖合に出る必要がある
- 山は個人の私有地もしくは自治体のものであり、散骨を禁止している場所もあるため確認が必須
- 自宅であっても近所の方には最低限の配慮をする
散骨に関する明確なルール決まりはありませんが、最低限のモラルを守ることが大切です。
浜辺や自宅の庭での散骨は、場所によっては人目につきます。
何かを撒いていると不審がられるのはお互いに気持ちのよいものではありませんので、海であれば沖合に出る、自宅であれば近所の方に散骨の理解を得るなどして、余計なトラブルは避けるようにしましょう。
まとめ
散骨は自然葬と呼ばれるお見送り方法のひとつです。
土に還す、海に還す、空へ還す、どの方法も自然回帰の考えが根底にあり、思い思いのお別れができるでしょう。
どこにでも散骨ができるわけではありませんので、モラルを守って正しい散骨を心がけてください。