コラム
ペットのエンゼルケアとは？頼める場所や自宅で行う方法
家族の一員である大切なペットもいつかお別れの日がやってきます。
お見送り前には人と同じように死後の処置を行い、キレイに身なりを整えてあげる「エンゼルケア」というものがあります。
エンゼルケアとは、具体的にはどのようなことをするのか、自宅で行う場合の方法についてご紹介します。
ペットのエンゼルケアとは？
「エンゼルケア」は家族であるペットの死後に行う処置や保清といったケアをし、お見送りまでの準備を行うことをいいます。
エンゼルケアの目的には大切なペットが気持ちよく旅立てるように生前に近い姿へ整えることやご家族が行う場合はペットの死を受け入れ、心の整理をすることでもあるのです。
ペットの死後直後は哀しみが強く、現状を受け止めたくない気持ちでいっぱいになりますが、今ままでの思い出を振り返りながら最期の時まできちんと見届けてあげましょう。
ペットのエンゼルケアを頼む場所
ペットが亡くなった状況や飼主さんの考え方によってエンゼルケアを行う場所も変わってくるでしょう。エンゼルケアを頼む施設は動物病院とペット霊園が一般的です。
ペットが病気などで入院をしていたり、突然の事故死などであれば「動物病院」で死後処置をすることも多いですが、トリミングをしてあげたい場合は、エンゼルケアのサービスを行っている「ペット霊園」にお願いしましょう。
とくに犬の場合は、老齢で定期的にサロンへ通えないことや病院での治療や看病で十分なお手入れをしてあげられなかったと感じる飼主さんは多くいます。
プロ目線でのシャンプーやトリミングなどの必要なケアを素早く仕上げてもらい、納棺までの流れを安心してお任せできますよ。
エンゼルケアを自宅で行うには？
ほとんどの方はエンゼルケアを行った経験は少なく手順が分からない方は多いのではないでしょうか。
葬儀までの間はペットの身体をキレイに保つために適切なエンゼルケアを素早く行う必要があります。
自宅でエンゼルケアを行う場合の具体的なやり方や注意点についてみていきましょう。
目を閉じてあげる
犬や猫などの死後は目を開いた状態で亡くなることが多いため、ご遺体の硬直が始まる前に、手でまぶたをしばらく抑えて閉じてあげましょう。
目の乾燥を防ぐことや安らかに休んでほしいという意味も含みます。
まぶたを閉じるのが難しい場合はテープや接着剤で留める方法もありますが、必ずしも閉じる必要はありません。
目を閉じない時は、飼主さんの判断でお顔に布をかけてあげましょう。
体勢を整える
死後から数時間程で身体の硬直は起こります。
その前に目を閉じてあげるのと同じく、身体の体勢を整えてあげる必要があります。
棺に納まるように伸びている前と後足の関節を優しく胸の方に近づけるようにして曲げてあげましょう。
体液の出る箇所に詰め物をする
脱力した状態の身体からは時間が経つと尿や便などの排泄物が出てきてしまうため、下にペットシーツや大きめのタオルを敷きます。
口や鼻、肛門からの体液の漏れを防ぐため、脱脂綿を詰める処置が必要になりますが。
口を閉じる際には口内の汚れをキレイにしてから詰め物を行いましょう。
身体のお手入れをする際にはお腹を優しく圧迫しながら、尿などの排泄を促してあげます。
体液が漏れ出てしまわないための詰め物ですが、体液が多くでてしまう場合には必要に応じて脱脂綿を交換します。
全身をキレイにする
お湯で固く絞ったタオルなどを用意して全身をキレイで清潔な状態にしてあげましょう。
汚れを取り除いたらペット用ブラシを使って毛の流れに沿って丁寧にブラッシングをし、見た目にもキレイな姿に整えてあげます。
エンゼルケアを自宅で行う時の注意点
ペットのお見送りまで自宅で過ごせるのは2～3日程度と時間が限られています。
生前の姿を保つためにも、エンゼルケアを行った後は自宅にある「ドライアイス」や「保冷剤」を使ってできる限り身体を冷やすことが大切です。
- エアコンの温度を低くする
- エアコンの風を直接当てない
- 保冷剤は頭とお腹を重点的に
- バスタオルで身体を包み込む
保冷剤などで被毛が濡れてしまわないように身体と保冷剤の間にタオルやペットシーツをはさんであげると良いでしょう。
バスタオルで身体を包み、外気から触れないようにするとで保冷効果が高まって腐敗が進むのをおさえてくれます。
気温が高い日には冷房を効かせて温度管理を十分に注意することが大切です。
ご遺体の安置場所には日の当たらない涼しいところを選びましょう。
エンゼルケアを自宅で行う場合にはペットにしてあげられる最期のお世話となります。
大好きなペットとかけがえのない時間を過ごしてきた分、飼主さんとしては心に穴が空いたような気持ちになるかもしれません。
しかしエンゼルケアを丁寧に行うことで、飼主さんの気持ちがペットにも届くことでしょう。
飼主さん自身も悔いがなく、ペットが安心して旅立てるようにお見送りをしてあげたいですね。
