コラム
ペットのお盆の過ごし方。お迎え方法や作法をご紹介
もうすぐお盆。
初めて亡くなったペットのお盆を迎える人もいれば、毎年の恒例行事となっている人もいるかもしれません。
ペットのお盆の供養はどのようにするの?お迎え方法は?知っているようで知らないペットのお盆の作法についてご紹介します。
お盆とはどんな行事?
お盆は仏教用語では「精霊会(しょうりょうえ)」、「盂蘭盆(うらぼん)」、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」などと呼ばれていますが、それらを略して「盆(ぼん)」と呼ぶようになり、今では一般的に「お盆」と呼ばれています。
もともと旧暦の7月に行われていたものが「お盆」の始まりですが、現在では多くの地域で8月13日から16日の期間に行われていおり、1年に1度やってくるお盆の時期が、亡くなった人の霊を自宅に迎える期間となります。
お盆の時期には、故人の霊や亡くなってから時が経ったご先祖様の霊が戻ってくると考えられており、そういった霊をお迎えして供養をおこなうことが「お盆」なのです。
ペットのためにお盆の供養をしてもいいの?
これまでは、お盆の供養=人間のものという考えがあり、ペットのためのお盆供養はほとんど考えられていませんでした。
しかし、昨今ではペットは家族という考えが一般的になったため、子供と同様に家族の一員として大切に扱われるようになりました。
そのためペットが亡くなった後も、火葬を行い、遺骨をペット霊園や動物霊園に納められることも珍しくなくなってきたのです。
そんな家族の一員であるペットであれば、亡くなった霊がお盆に帰ってくるという考えも当てはまるというもの。
ペットを納骨した場所(お墓や納骨堂など)を訪れたり、自宅でお盆の準備をして供養する人も増えてきました。
ペットの初盆供養やお盆法会について
ペット霊園などでは「お盆法要」として合同法要が行われたり、個別に申し込むこともできるようです。
法要までは希望しない場合は、家族だけでの供養ももちろん良いでしょう。
お盆の時期には埋葬されている場所を訪れ、ペットとの思い出をゆっくり語り合う時間にしてみましょう。
お墓でお盆を迎える場合
お墓は、ペット霊園、動物霊園、寺院の境内などにあります。
遺骨が納められた場所に出向いて手を合わせ、祈りましょう。
ペット霊園や寺院などが行う慰霊祭やお盆法要などがあればそれに参加することができます。
◆準備するもの
- 数珠やハンカチ
- 水やペットの好きだったおやつや食べ物、花などのお供え物
- 線香、ろうそく、火をつけるもの
ペットへのお供えものとしてペットの好物だった食べ物や、ペットボトルに汲んだ水、お花などを用意します。
合同で供養する墓の場合
合同供養塔など記念碑があればお水やお菓子をお供えするとよいでしょう。
納骨堂の場合
お墓でなく、納骨堂に骨壷を安置している場合は納骨堂に家族で赴いて手を合わせられるのが良いですね。
準備するものはペット霊園などによって異なるため、事前に確認しておくことをお勧めします。
自宅でお盆を迎える場合
ペットの霊を迎え入れる場合は、13日から16日までのお盆の期間を以下のようにスケジュールを立てていきます。
◆準備するもの
- ペット用提灯
- お迎えの飾り
- ペット用仏具
①お盆の入り(13日)
玄関や家の中も掃除して、亡くなったペットが気持ちよく帰宅できるようにしておきます。
提灯は盆提灯を用います。
ペット用の盆提灯も用意されているので、必要があれば購入しておくと良いでしょう。
②お盆の中日(14日、15日)
中日には、ペットの魂が自宅に戻ってきている期間と考えられています。
生前ペットが居たときのように、ペットの好きだっ食べ物を用意しておきましょう。
新鮮な水を数回交換して供えてあげると良いでしょう。
自宅に自宅供養品や手元供養品がある場合、ミニ仏壇や位牌などを飾り、普段以上に手厚く用意をして迎えます。
③送り盆(16日)
せっかく帰ってきたのだから、ずっといて欲しい気持ちもありますが、いつまでも引き留めているとペットも未練を残してしまい安心して旅立てません。
送り盆には、心を込めて送り出してあげましょう。
地域によっては精霊舟に供え物や灯籠(とうろう)をのせ、川や海に流す行事が行われる灯籠流しがあり、ペットのためにも行われる場所もあるようです。
そういったことが難しい場合は、お線香を立てたり、提灯やキャンドルライトを灯すだけでも良いでしょう。
まとめ
お盆の時期のペットの供養は、人間のように決まった作法があるわけではありません。
人間と同じように霊園などで法要に参加することでお盆を行うご家庭もあれば、飼い主の方が心を込めて、自宅で亡くなったペットを供養する場合もあります。
お盆は、愛したペットの霊や魂を迎えるという大切な期間です。
日々の供養ももちろんですが、この時期だけはいつも以上に心を込めて手厚く供養をし、気持ちよく戻ってきた例を迎え送り出してあげたいものですね。